全国連絡会ニュース No.154

先生が足りません。
年度当初から先生の欠員があるのですから、2月や3月になれば病欠も増え、大幅に欠員が生じるのは当然です。何カ月も前から分かっているはずの産休代替の先生さえ来ないのは大問題です。子どもたちの教育を受ける権利の侵害です。

そもそも、日本では「誰も休まない」という前提で先生の定数が決まっているので、誰かが休むとすごく大変です。今の状態が当たり前と思ってしまうと「休んだら申し訳ない」とか、「あの人が休んでいるから」と考えるようになってしまいます。

異常な長時間労働や病休者を量産するストレスの多い労働環境を放置したまま、やりがいアピールや教員セミナーでその場を凌ごうとしてもダメです。教育委員会は、「先生が足りない」と言いながら、教員採用を増やさず、教員採用試験で落としておきながら臨時教員として雇うのです。先生が足りないのではなく、「不安定雇用で都合よく働いてくれる先生が足りない」ということなのではないでしょうか。

和歌山のSさんが教育要求の場で訴えたように、今、どこでも大きな問題になっています。議員連盟総会では、東京のYさんが「『通って楽しい学校』にしていく、そのためには先生の数をもっと増やすこと」と訴えています。(p8、p21~22)

春日井敏之さんが「コロナ時代と不登校への理解、支援」と題した論文を寄せてくださいました。新型コロナ感染症が広がり始めてもう3年、全く新しい形での子どもへの影響が表れています。学校も保護者もコロナ禍で起こった課題、多くの場合初めて直面する課題に向き合わねばなりませんでした。不登校児童の増加は子どもからのSOSであること、生徒と教師のズレ、保護者と教師のズレに気づかないままに過ごしてしまっているのではないかと。(p1~7)(p19~20)

第67回日本母親大会の記念講演の最後で、田中優子さん(法政大学前総長)は、「多様性を認め合うことはみんなが幸せになること」と強調しました。春日井さんの「子どもの存在を丸ごと受け止めていくこと」という言葉に通じるものがあります。

全国世話人会も開かれ、いよいよ「全国のつどい」が始まるようです。やっぱり会って話したい、この思いを大切にして、みんなで作っていきましょう。

寒さに向かいます、ご自愛ください。

(2022.12.15発行)

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