全国連絡会ニュース No.149

冬の暖房と言えば火鉢にこたつ、家の物干し竿には干し柿がぶら下がっていたという私の子ども時代。父も母も仕事が休みだったのか、一緒に部屋でごろごろしていた時でした。磨りガラスに浮かび上がったのはそっと干し柿に手を伸ばす子どものシルエット。「あっ!」と驚く私に、父が指を唇に当て「し~っ」という動作。三人でその影を静かに見守っていた記憶は今も鮮明に残っています。故郷の川とともに私の原風景となって私を支えてくれています。最近になってその話をしたところ、ある方から「子どもだったらお腹を空かせて干し柿に手を伸ばしたのかもしれませんね。」と言われ、ほほえましい記憶としか残っていなかったあのときの父の優しさには1950年代の日本を映し出していたのでした。

コロナ禍の今、10月に発表された2020年度の「不登校児童生徒数」は20万人に届こうとしています。今回のニュースは子どもたち、親たちの生の体験、苦しみとともに、親の会や全国の「つどい」とつながり、自分(子・孫)と向き合ってきたからこそ語れる思いが綴られています。(体験談Fさん、Oさん。山梨ぶどうの会基礎講座 岩手「あゆみの会」Kさん 長崎Fさん)

「第9回つどいin和歌山」のとりくみ(p7~8)は「つどいを作り上げるってまだるっこくて、何度も話し合って、いつの間にかはまってしまう」と実行委員会の雰囲気を伝えてくれています。千葉で行われた「第10回つどい」の記念講演を行ったのが、昨年亡くなられた作家の旭爪あかねさんでした。埼玉のTさんがあかねさんを偲ぶ会で感じた思いがまた深く心に響きます(p9)。京都のHさんがコロナ感染拡大の影響で2年間開かれなかった宙ぶらりんの心に「つどいのありかたを見直す」論議を始めようと提案されています(p10)。

また、滋賀県連絡会のYさんの『「教員免許更新制」廃止。研修のあり方を考える』(p15~16)は、更新制がいかに教育現場を混乱させ、子どもたちが置き去りにされてきたか、「安倍政権の大失敗」と断じています。大阪の世話人会では大阪府実施の「児童アンケート」を読み込み、その危険性や子どもの心への影響等感想を述べあっています(p17,18)。

今回の全国連ニュースも圧倒されるほどに読み応えのある内容です。ぜひ、じっくりとお読みください。

お手元に届く頃にはもう師走。この冬の寒さも厳しいと思われます。よいお年をお迎えください。

(2021.12.2発行)

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