全国連絡会ニュース No.146

 緑の新芽が輝いてまぶしい季節です。
 みなさま、お元気でいらっしゃいますか。
 公園のベンチに座って、真っすぐに伸びているメタセコイアを見上げながら、風の音に耳を澄ましていると、コロナ禍の日常が遠く感じられてほっと息がつけるような気持ちがします。散歩の習慣がついてから鳥の名前も樹の名前も花の名前もたくさん覚えました。この春休みに毎日が退屈だという小さな人と一緒に1千ピースのパズルも仕上げました。でも、寂しさを埋めることは出来ません。人とのふれあいがマスクごしになってから1年3ヵ月あまりが過ぎ、「全国のつどい」の開催が再び中止になりました。
 こんな時だからこそと言えるでしょうか。私たちの地域の交流会はいつもと変わらず行われています。そして初めて来られる方の参加が思いがけず増えています。子どもが学校へ行けないことは、今、いっそう深い孤立の色合いを帯びていますが、ここでは人が人を求めあう交流がなんとか続けられているのです。会場の確保が可能なかぎりのさらに、感染対策をしての不自由な交流会ですが、会話のふしぶしからも、子どもたちの環境はきびしさを増して、予断を許さない状況(p1~4 )が伝わってきます。
 さて、昨年出版された「登校拒否・不登校 親たちのあゆみ」(かもがわ出版)に続いて、この度、私たちが待ち望んだ「全国連絡会」のリーフレットが出来あがりました。今まで「全国連絡会」の運営は、「全国連絡会ニュース」は読者に、「全国のつどい」は参加者に依拠して、各々の手にその在りようをゆだねてきました。みなさまのお手元に確かに届いているのは「申し合わせ」だけです。困難にぶつかった時は必ず「申し合わせ」の文言に戻って思いをかたちにしてきました。この私たちの会が最も大切にしている「申し合わせ」もリーフレットに掲載いたしました。「親たちのあゆみ」と共に、みなさまの周りの方に私たちの特長ある活動を知っていただくよすがになればと願っています。(P19)
 また、「親たちのあゆみ」を図書館に置いていただけるように各地で取り組みがなされています。こうして一人でも多くの人とつながりたいと、私たちに何が出来るのかを考えながら、日々を過ごしています。
 メタセコイアの花言葉は「平和」だそうです。たった一本ポツンと立っています。
 「平和」がこんなに背が高いなんて、ひとりぼっちだなんて。
 まるで奇跡のような樹のそばで、みなさまと共に過ごせたら
 どんなに嬉しいことでしょう。
 その日が来るまで、子どもたちを見守りながら、生きのびるしかありません。この樹のように。
 どうぞお身体をご自愛ください。

(2021.4.22発行)

タイトルとURLをコピーしました