全国連絡会ニュース No.143

 「元気でいてね」、柿の絵と共に書かれている幼い字の絵手紙を繰り返し眺めています。底が抜けるほど蒼い空に綿菓子のような雲が浮かび、いつのまにか秋はまっさかり。手書きの絵に添えられた文字のひとことに、慰められる日々を過ごしています。みなさま、お変わりなくご無事でいらっしゃいますか。
 生身の人と人とが出会い難い、この「コロナ」の時代を乗り越えていかに子どもたちの未来につなげたらいいのか、いつかは収束するだろうけど、今を「生きて」いる子どもたちの不安を少しでも和らげるには何をしたらいいのか、その影響がどのようなかたちで学校現場に表れているのか(p13~14)、わたしたちは、子どもの声をしっかりと聞いて寄り添っていかねばなりません。そのためには、私たち自身がどう生きるかを、問われています(p1~5)。
 「全国のつどい」も今年は開催されなかった中、なんとか支え合いのかたちを作ろうと各地でいろいろな動きがみられます(p7~8・11~12)。
 また、「全国連絡会」からは、25年のあゆみを記念した書籍「登校拒否・不登校 親たちのあゆみ」(かもがわ出版)が刊行されました(p19~20・21~22)。2018年11月から何度も編集委員会を重ね、今年になってからは、コロナ禍の活動でしたが、ようやく出版にたどりつきました。みなさまに読んでいただくことで、「全国連絡会」との新しい出会いがうまれて、わたしたち自身が少しでも前に進むきっかけになればいいなと思います。
 そしてこの本は、いわば「全国連絡会」という氷山の一角なのです。水面下に潜んでいる多くの親の物語が拾いきれませんでした。他にも拾いきれなかったものに研究者の貴重な講演記録などもあります。たくさんの方々が見えないところで、一人ひとりの物語を生きて来られました。「わたしたちは民主主義の大地を耕している」と書かれたNさんはすでに彼岸の方です。こうした多くの人々の尊い支えで「全国連絡会」は継続してきました。この25年という歳月に敬意を払い、大切な人々に心を寄せて感謝したいと思います。
 しみじみと人恋しい秋の季節に。

(2020.10.29発行)

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